ツクールMVでAndroid用APKを出力する場合、公式のヘルプのやり方でも行えますが、ネイティブな機能を使うなら、Android用のソースを出力した方がいいでしょう。

ツクールで使うAndroid用のWebViewとして、Crosswalk を使用します。
無数にあるAndroid端末に内蔵されているWebViewを使用してしまうと、その端末ごとに動作が異なる可能性があります。これを埋めてくれるのが Crosswalk の大きな役割の一つです。

Crosswalkの実装方法は公式ヘルプの方法含めいくつかありますが、せっかく前回のiOS版でcordovaを使用しているので、cordova plugin として提供されている Crosswalk で実装してみましょう。

この記事では Mac での実装を紹介します。

以下のことができていることを前提としているので注意してください。

  • RPGツクールMVのヘルプに記述されている「資料集 > iOSへの変換」の項目で $ cordova build を実施できること(cordovaのインストールが終わっていること)

プロジェクト構成は以下とします。iOS版と共存させて問題ありません。
(前回はXcodeProjectというディレクトリにしていましたが、iOS版Android版両方共存できるようなので、CordovaProjectというディレクトリで作成しなおしました)
mv_android01

Android開発環境を整える

基本的に ツクールMVのヘルプ「資料集>Androidアプリへの変換」の通りでもいいのですが、Android Studio をインストールしておくことをおすすめしておきます。今後の開発やデバッグ、パッケージングに使えます。

Android Studio

MVのヘルプに書いてある Apache Ant のインストールも忘れずに。

Apache Ant

なお、Mac で PATH を通すには ~/.bash_profile を編集します。

export ANDROID_SDK_ROOT=/Users/ユーザ名/Applications/Android/android-sdk
export PATH=$ANDROID_SDK_ROOT:$PATH
export PATH=$ANDROID_SDK_ROOT/tools:$ANDROID_SDK_ROOT/platform-tools:$PATH
export ANT_ROOT=/Users/ユーザ名/Applications/Android/apache-ant-1.9.4/bin
export PATH=$ANT_ROOT:$PATH

を追加(インストールパスは一例)

$ source ~/.bash_profile

で反映。

$ adb version
$ ant -v

でパスが通っているかどうか確認できます。

cordova plugin版 Crosswalkの導入

iOS版の時と同じように、cordovaプロジェクトディレクトリへ移動します。

$ cd CordovaProject

プラットフォームに android を追加。

$ cordova platform add android

Crosswalk プラグインを導入します。

$ cordova plugin add cordova-plugin-crosswalk-webview

プラグインの状態はiOS版も含めると、以下のようになるはず。

$ cordova plugin --list
com.telerik.plugins.wkwebview 0.6.9 "WKWebView Polyfill"
cordova-plugin-crosswalk-webview 1.2.0 "Crosswalk WebView Engine"
cordova-plugin-webserver 1.0.3 "CordovaWebServer"
cordova-plugin-whitelist 1.2.1 "Whitelist"

iOS版と同様、wwwディレクトリにデプロイしたファイルを放り込み、以下のコマンドを実行してみましょう。

$ cordova build android

BUILD SUCCESSFUL

となっていれば成功です。Android実機をつないで、

$ cordova run android

すると、アプリが転送されます。

mv_android02

ここからはAndroid用の設定です。
config.xmlを開くと、 <platform name=”android”>内に xwalk〜の部分が追加されていることを確認できます。
必要に応じて追記、修正していきましょう。

ここでは画面の向きを横にし、全画面表示にしています。
また、ツクールMVの公式動作環境はAndroid4.4以降なので、APIレベルは19にしています。

なお、Android特有の sensorLandscape (横向きでセンサーによって回転させる)はここでは設定できません。
AndroidManifest.xml を直接編集すれば設定できますが、cordova build android をすると上書きされてしまうので、config.xml で設定できない部分は AndroidManifest.xmlを別で管理することも考えたほうがいいかもしれません。(ネイティブ側機能の実装で必要な部分など)

config.xmlを変更したら、$ cordova build android を忘れずに。

cordova plugin crosswalk の最新バージョンは Crosswalk v14以降で使用できます。
都合でCrosswalk v13以下を使用する場合は、pluginバージョン 1.2.0 を使用する必要があります。
その方法を以下に紹介しておきます。

cordova plugin Crosswalk 1.2.0 インストール

$ cordova plugin add cordova-plugin-crosswalk-webview@1.2.0

config.xmlの設定

 

おわりに

これで cordova を使って、iOS、Android 両方の出力ができるようになりました。
公開されている cordova plugin を使えば、両OSのネイティブ機能(広告等)も実装することができるでしょう。

この記事でMV作品のアプリ化を目指している方のお力になれれば幸いです。

参考URL

https://crosswalk-project.org/documentation/cordova.html
http://blog.asial.co.jp/1436